「もう、限界だよ。原作を見て描きたい」
ある日サトウヨシヤはそう呟いた。
彼が1枚の絵を描くのにどれほどの神経を使っているかが
見ている人にまるで伝わらないのが残念だ。
サトウヨシヤは絵を描くときには別室に篭る。
自分の想いを、人生を、ペンに捧げる。
その瞬間は音楽のことも料理のことも頭に無い。
失敗しては紙をくしゃくしゃに丸めて投げ捨てる。
それを小一時間繰り返し、やっと1枚描き上げた時には
傷ついた兵士のようにボロボロになっている。
誰かが支えていないと歩けないこともあったほどだ。
サトウヨシヤのそんな姿を見るのが辛くて
「もう、やめたっていいんだよ」
私は何度言ったことか知れない。
それでもサトウヨシヤはうわ言のように呟く。
「大丈夫・・・大丈夫だよ・・・」
そんなわけで、今回は原作を見て描きました。
哭きの竜です。
わからなくもないこともなくもない。
日本語ヘンですが、そんな感じ。
どうなんだろうか、これは。
アリなんだろうか。
原画
5歳児よりは上手い気がしなくもない。
しかし。
こまかい所を見ると。
タバコを2本吸っている
完全にてんぱっている
持っているのが全部ピンズで
何が待ちなのかわからない。
・・・竜にはそんなことはあるわけもなく。
じゃあ何がてんぱっているのか?
答え
画伯の気持ちが。
きっと「手」を描くのが難しくて
動揺してしまったのだろう。
関節関係は画伯の今後のテーマではないだろうか。
耳
何故、昭和の子供は耳の中に「6」を描く?
しかも原作には耳は無い。
見えてないものを描く男
サトウヨシヤ。
皆さん、本屋さんへ行ったら
「哭きの竜」1巻の表紙を見てください。
是非。