BED ROOM ~1994 Analog Multi Track Recording ~歌詞&全曲解説

BED ROOM ~1994 Analog Multi Track Recording ~歌詞&全曲解説

 

 

・<ONE DAY>1995 TOKYO SESSION & LIVE
➡・the zulu 2017 Digital Remastering

 

<BED ROOM>1994 Analog Multi Track Recording 

01,まやかしの朝があからさまに行く
02,ALONE
03,ため息とあくび
04,君に会いたい
05,虚構の彼女
06,アロワナの森で
07,999
08,ついてる石
09,快楽
10,はじまりはこんなもの
11,夢の中
12,Good Night

 

01,「まやかしの朝があからさまに行く」

美しい話をしよう あれはいつの事だっけ
青い光に包まれた 大好きなテレビの深夜映画

一面のヒマワリが ラストシーンを飾る
精光の中で僕は キツイ黄色に綺麗にキマる

It'just ashiny sun majic
or maybe just a daydream
It'just ashiny sun majic

何処へ行こうか

見事な出来に仕上がった 極彩色の花束を
君の胸をちょっと開けて 詰め込んでみたらどうだろう

いつしか僕のことなんか 忘れてしまうに違いない
精香の中で僕は キツイ黄色に綺麗にキマる

It'just ashiny sun majic
or maybe just a daydream
It'just ashiny sun majic

何処へ行こうか

まやかしの朝があからさまに行く

●初期の男4人バンドでは表現しきれなかったジレンマは鍵盤と女性コーラス隊に入ってもらった事により解消。やりたい事が思いっきり表現できるようになった中期。曲調もそれに合わせた雰囲気のものへと変化していった。この曲は赤羽根がギターフレーズを持って来てそれをバンドでここまで構築していった。まさに初めての共同作業である。何ヴァージョンあるかわからないくらい、いじくり回した曲。


02,「ALONE」

抜けすぎた空を見上げて
空っぽの頭の中に
昨日の夜に降ってきた
散らばった音符かき集めてる

今にも踊り出しそうな言葉
必死につかまえながら
君の言葉なんかうわの空
笑ってる時も泣いてる時も

不協和音のギターをかき鳴らす
アローンローンローン
君にもきっとわかるかな
君にもいつとどくかな

小鳥みたいに自由に唄いたいだけ
黄色いクチバシで君をつつき続ける
君の言葉に耳を傾けようか
その時僕は偽善者に成り下がる

歌を唄ってる
それしかできないよ
ヒスな声淡い空にとけてく
いつか君にやられる前に

僕は今から帰るとこ
ペダル踏みしめ砂利を蹴って走る
向こう岸から囁く風が
でまかせの口笛吹き飛ばしてく

不協和音のギターをかき鳴らす
アローンローンローン
君にもきっとわかるかな
君にもいつとどくかな

●初期の曲。第一期のバンド時代に色々な物事がうまくいかず傷心の中書いた曲。7人編成でアレンジも一新して蘇った。


03,「ため息とあくび」

楽しいことしようよ
何かないかな
ふしだらな空想ばかり
頭を突きぬけていく

君は言う毎日
ツイテナイツイテナイ
シュールなニュース
探しに行こう

二人で買った
小さなガスレンヂで
おいしいお茶を
いれてください

庭に咲いてる
名前も知らない花は
今年の冬は
乗り越えられるかな

明日は晴れるかな
形の悪い雲が
君は万に一つの
確率に賭けた

二人で買った
小さなガスレンヂで
おいしいお茶を
いれてください

ため息とあくびの結末やいかに

●誰にも言ったことがなく、自分で言うのもお恥ずかしい話ですが、僕はこの歌詞が異常に好きである。今でもよく出来てるなぁ、と感心したりするほどに。単純な描写でどの時代にも誰にでも当てはまる感じ?


04,「君に会いたい」

夢を見ていた時突然光が落ちてきた
重い体引きずって窓から外を見ると
見たことも無い様な悲しい色をした空
くすんだオレンジ色の太陽が遠ざかってゆく

いつか見たことあるような記憶をたぐり寄せて
僕は不思議に恐くなんかちっともなかったよ
世界中で一番の悲劇を演じてみようか
そこにはもうだれもいない

君に会いたい 君の声が聞きたい
君に触りたい さよならの言葉伝えたい

壊された積み木の町を君の家に向かってる
捩れ曲がったビルの隙間を君の家に向かってる
酸味がかった雨の中


君はベッドにはりついた真っ黒い影になってた
白いシーツから黒い君を丁寧に切り離そう
薄っぺらになったねポケットに詰め込んだ
それから二人は、、、

●こんな時代だからあえて言えば、歌詞の通り自分なりの反戦歌。このバンドの素晴らしいところは、こういう曲でもいい感じに融合させてくれるところ。一人でも出来る曲だが、やはりバンドだと圧倒的に表現が広がる。


05,「虚構の彼女」

とんがった大魚が空を飛んだ日
降り注ぐ太陽なんか過去の産物
裸の王様が衣装を着はじめ
大観衆は大喜び

何にも出来ない僕たちは髪を伸ばして
躍起になってギターの大改造
真っ直ぐ玉が的に当たりますように
最後の仕上げは念入りに

「今夜世界は終わるかも知れないけどきっと浮いた永遠のチリになればいい」と君は言った

夜の狭間に挟まれたサンドウィッチ
君の作った最後の晩餐
ノイローゼ気味のライオンが行ったり来たり
狂ったまねをしなくとも大丈夫

電話のベルが官能的に鳴って
君は甘い言葉でささやく
サイケデリックな宴の晩に
とびっきりお似合いのスキャンダル

「今夜世界は終わるかも知れないけどきっと浮いた永遠のチリになればいい」と君は言った

●単純な曲をいかにドラマチックに展開するか、に挑戦した曲。Cメロからサビに行くトコの勢いが素晴らしい。


06,「アロワナの森で」

君とのここでの結末は
まるであっけなく終わろうとしている
君と見たウタカタノトキでも思い出そうか
それとも洒落た挨拶のひとつでも交わそうか

楽園へ行こう

君が笑ってるいつもの場所で
僕が笑ってるいつもの場所で

楽園へ行こう

アロワナの森の見える場所で
ふたり終焉を迎える
誰かが囁いた
きっとうまくゆくさ

●男4人の初期から、鍵盤とコーラスを入れようと考え、半年ほど休んだ。その間人体実験のバイトで稼いだ金でロンドンに行き、帰ってきてからメンバー探しとそれに見合う曲を書いた頃の曲。弾き語りだと地味だがアレンジ次第でゴージャスに表現できる良い例の曲。単純だが心に残る赤羽根のギターフレーズ、美しい鍵盤とコーラス。


07,「999」

雷雨の広場で奴を待ってる

空の彼方からやってきた
パリではデカダンス ヒッピーリバイバル
も少しで終わるなんて 一体どゆこと?寝耳に水だ

ライムを絞ったドライジンでお祝い 
脳みそはブルーチーズ おいしいおつまみ
年老いてゆくんだ 3並び999

MAYBE LIKE A KITCHEN 殺戮のナイフ 僕の命は 
おお!神よ!あなたのまな板の上
どうにもならぬ儚き命 神よ!天国はありやいなや!?

ライバル同士のライオンの兄弟 
てぐすねひいて狙ってるガールフレンド
でもいつか終わるんだ 3並び999

MAYBE LIKE SOUL KITCHEN 殺戮の甘い罠 僕の体は 
おお!神よ!あなたのスパイスまみれ
どうにもならずお料理されてる 神よ!天国はありやいなや!?

でもいつか終わるんだって 3並び999

MAYBE LIKE A KITCHEN 殺戮のナイフ 僕の命は 
おお!神よ!陳腐なゲームの一部
ボタンひとつで操作されてる
幸も不幸も 君も僕も あなたの 手のひらの上で
ムニナルンダ!

●何かスカッとした曲が欲しくて当時は珍しく曲先で書いた。このバンドの代表曲と言っても過言ではない。作詞は岩田麻里さんで、とてもいい感じにポップに仕上げてくれた。


08,「ついてる石」

窒息しそうな満月の夜に
体に巻きついた憂鬱をほどいて
秘密の地下室へ向かうのさ
夢遊病者のマネをしながら

明るすぎる夜空に目をやれば
銀色に輝くオオカミが走り出す
百戦錬磨の男が言うことには
「Be awere somethings gonna happen!」

Ah! LUCKY STONE
つよい煙草を一箱持って
月の明かりで火をつけましょうか
銀河の全てを胸に抱き
落ち合う場所は
LUCKY STONE

満足できない満月の夜に
背中を丸めた男が歩いてる
まわってるメロディでも口ずさもうか
夢遊病者のマネをしながら

月明かりの中に潜んでる
長い長い階段を降りて行こう
百戦錬磨の男が叫んでる
「Be awere somethings gonna happen!」

Ah! LUCKY STONE
つよい煙草を一箱持って
月の明かりで火をつけましょうか
銀河の全てを胸に抱き
落ち合う場所は
LUCKY STONE

Ah! LUCKY STONE
溜まりすぎた綺麗事は
抜け殻の夜空に向け
銀河の全てにまき散らし
空に向かって吠えるのさ

●自分で作っておいてあんまり好きじゃなかった曲。何だろう、ちょっとフォーキー過ぎるのか、ドンくさい感じ?いや、みんなで作ったアレンジとかはいいし、結構人気もあった曲ではあるのだが。録音は時間が無くボーカルは一発しか歌えなかったから、ピッチが甘々。歌詞は新宿LOFTから泥酔で東中野に帰る途中に出来た。オレ的LOFT23時、みたいな。


09,「快楽」

言葉じゃ言い尽くせぬ
色彩の花が
小道の縁に
咲き乱れる

左から右へ
風が吹く
緑の山から
青の水へ

緩やかな流線を
描いて曲がる
先の見えない
この道の果て

柔らかい光と
穏やかな風と
懐かしい匂いと
暖かい君と

快楽の世界があるなら
きっとこんな風だと思う

●たしか山形のおじいちゃんが死んで、それで書いた。昔よく行った山形の山に囲まれた川辺を思い出しながら。リズムはヘソがスネアだけを録りにスタジオに来て、僕と岩井誠で重ねていった。今回入れるか入れまいか迷ったが、オレ唯一の最初で最後の渾身のギターソロ有り、なので入れてみた。


10,「はじまりはこんなもの」

欲望にまかせたふたりは
暗闇に目がくらんだのか
白みはじめた朝をうらみ
探り合うこともしなくなった

おさえられていたふたりの
ネジがふたつころがってる
確かめ合うのももどかしく
君を強く抱きしめたい

突然始まった喜劇は
偶然なんかじゃないだろう
僕は前から知っていたし
知らないふりをしていただけ

熱すぎる体を冷やそう
夜のプールにしのびこんで
僕は泳げないけどきっと
何か見つかるかもしれない

はじまりはこんなもの

遅すぎる朝を待ちながら
ふたりの時計を合わせよう
リューズを巻く音が響く
それは確かに深い闇に響きわたった

速いスピードで走れ
ルードな夜を駆け抜けろ
月の角度はほぼ真上に
ふたりの行方を照らし出す

はじまりはこんなもの

●後期に作った曲。歌い方を変えたくて摸索していた時期。バンド崩壊後に録音済みのドラムが勿体無いので赤羽根とサモンに頼んで仕上げた。岩井誠との二人ユニット「Feb Tone」名義でミニアルバムに収録。


11,「夢の中」

うまいこともぐりこんだ
あの森の中で
かるいノビをして
大きく息を吸いこんだ

ひしゃげた星座が
形を取り戻して
やっと長い長い
夜の終わりへ近づいた

そして夢の中ささやきあいとけた淡い秘密は
きっといつの日か誰も知らないまま朽ちていく

夜をかみしめたら
濃密な密の味
君がほうりこんだ
甘い甘いキャンディーのせい

怖い夢はもうたくさんだ
にじむ闇から逃げるため
僕はまたもや
あやふやな快楽に手を出した

月の裏側洞窟のベッドで
薄れゆくノスタルジアに戸惑い
星を数える余裕なんてないし
はずれかけた夜の天窓から
顔を出して抜け出して溢れだして
夜風を越えて飛び出した

そして夢の中ささやきあいとけた淡い秘密は
きっといつの日か誰も知らないままそう朽ちていく
いつか夢から目覚めて黄昏のしじまに取り残されても
僕は君がくれたカタルシスのキャンディーを
口に含んだままで

●バンド崩壊後に体調を一年くらい壊した時期に書いた、バンドへのお別れの曲。なので多分ライブではやってない。バンド崩壊後に録音済みのドラムが勿体無いので赤羽根とサモンに頼んで仕上げた。岩井誠との二人ユニット「Feb Tone」名義でミニアルバムに収録。


12,「Good Night」

君の寝息は中空のポケットにしまってあるんだ
胸がねじれて絡まった夜に取りにゆくんだ

溶け出した月に潜り込み君の残像が揺れた気がする
空に浮かぶ光るベッドは闇に包まれて漂う

螺旋の梯子を果てしなく登り辿り着くまで
巡り焼き付く印画紙はきっと君には見えない

溶け出した月に潜り込み君の鼓動が優しくこだまする
空に浮かぶ光るベッドは闇に包まれて漂う

朝が来るまで

good night

●岩井誠との二人ユニット「Feb Tone」名義でミニアルバムに収録。低いピッチをローテンションで歌うのがうまくいかず、寝そべって歌った。the zuluではやっていないが、並行してやっていた「aco nite」と言うほぼthe zuluメンバーのアコースティックバンドでやったかもしれない。ベースはサモン。